土地の賃借で収入印紙は必要?

【はじめに】
不動産の貸し借りを行うには、各種契約書や税金関係の書類など、さまざまな書類が必要です。
その一つに、収入印紙があります。収入印紙は、課税文書を作成した時に必ず支払う「印紙税」の納付を証明するものなので、添付漏れがないように注意が必要です。
しかし、同じ不動産関連の手続きでも、土地の賃貸借か建物の賃貸借かで収入印紙が必要かどうかで変わってくることはご存知でしょうか。
今回は、収入印紙と土地・建物の賃貸借契約についてまとめます。

【土地か建物化で変わる収入印紙の必要性】

・収入印紙と印紙税
収入印紙とは、会社や事業で取引をした際に作成される文書で、印紙税がかかるものに添付する用紙です。
領収書、契約書、裁判関係の手続き、不動産関連の手続き等で必要となります。
収入印紙の購入代金は印紙税となっており、契約書や領収書に貼り付けることで「税金を払った」ということになります。郵便物を出す時に切手を貼けることで「郵便料金を支払った」ということになる仕組みと同じです。
収入印紙は、コンビニや郵便局で購入することができます。
また、収入印紙は押印かサインがない場合は無効となりますので、忘れないようにしましょう。

印紙税とは、事業での取引・裁判手続き・不動産関連の手続きなどで、課税文書を作成した時に納付する必要がある税金です。
納税義務者は、印紙税法で定められた課税標準と税率を基に、一定の課税物件に対して印紙税を納めなければなりません。

・土地賃貸借契約書
ここまで、収入印紙と印紙税について説明してきましたが、土地賃貸借契約書には収入印紙が必要です。
土地の貸し借りは建物を建てる目的で行われることが多く、賃借権(一般的には借地権)を設定することとなります。
また、税法上の賃借権には物置として土地を利用する場合も含まれるため、法律では、建物の貸し借りについての取り決めを記した契約書には収入印紙を貼り付ける決まりとなっています。

・建物賃貸借契約書
一方、建物賃貸借契約書には、収入印紙を貼り付ける必要はありません。
印紙税の税額表にも、建物賃貸借契約書に関する記述はありません。
収入印紙は、土地を使用する権利に必要なもので、建物を使用する権利は管轄外なのです。

【最後に】

今回は、収入印紙と、土地・建物の賃貸借契約についてまとめました。
収入印紙が必要かどうかは、土地を貸し借りするのか建物を貸し借りするのかで変わってくるうえに、似たような用語も多く、ややこしいと感じる方も多いと思います。
ここでは、基礎的なことをまとめましたが、印紙税や収入印紙についての詳細を知りたい場合は、国税庁のページや関連書籍なども合わせてご覧ください。

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