共有名義の不動産はビジネスに不向き?

はじめに

個人で店舗や事務所を構える必要のあるビジネスを始めようと思ったら土地や建物などの不動産を見て回りますよね。
そして、望みに合った物件が見つかれば購入を検討するはずです。
ただ、そのとき単純な不動産の売買ではことが進まない場合があります。
その一つが共有名義での不動産購入です。
この場合だと土地や建物を手に入れてビジネスをスムーズに開始するのが難しくなります。
それは、なぜなのでしょうか?

簡単には購入できません!

ビジネスに限らず、何らかの理由で共有名義の不動産を購入しようとしても簡単にはいきません。
なぜなら、一つの不動産に対して複数の人が共有して所有しているのが共有名義の不動産だからです。
そうなると、その不動産の全てを手に入れるのに共有して所有している人全員の所有権にあたる持分を譲ってもらう必要が出てきます。
ですから、もしそのような物件を購入したいとなったら持分を持っている人全てとそれを譲ってもらう交渉をしなくてはなりません。
それがビジネスのためとなれば交渉に時間がかかることを覚悟してください。
ただし、時間を要しても交渉して手に入れられるならいいほうで、持分を持っているのが誰なのかはっきりしない場合もあり、そうなると持分を譲ってもらうことが困難となり、購入して単独名義の不動産にすることもかないません。

売る側だって困っている?

購入するのが困難ということは、売却するのも同じように困難ということです。
共有名義の不動産は一人で勝手に売却することはできません。
持分を持っている人全員の同意があってはじめて売却が可能となります。
ですから、どんなに不動産を売却して収入を得たかったとしても売りに出すことすら簡単にいかないのです。
ただし、自分の持分だけを売ることは可能です。
ですが、それを購入したとしても土地・建物の一部が所有できるだけであって、全てを自由に利用できるわけではありません。
そのため、持分だけを売りに出しても買い手が付くことはそうそうないといっていいでしょう。

まとめ

ここまでで見れば分かるように、共有名義の不動産はビジネスには不向きといわざるを得ません。
物件の購入に時間をかけすぎてビジネスチャンスを逃がしては意味がないからです。
また、物件を売却したり、賃貸にして活用したりすることもビジネスといえます。
その点から見ても共有名義では使い勝手が悪いです。
ですから、共有名義の不動産は購入する視点からだと避けたほうが良く、売却や活用する視点からだと早いうちに単独名義にしたほうが良いといえます。
つまり、不動産を共有名義で所有していてもあまり大きなメリットはないので、そのような形で所有をしているのなら対処できるうちに対策を取るのが賢明です。

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