底地(=借地権付きの土地)の地代について

カテゴリ:不動産基礎知識

地主に地代が支払われることで、土地を借りる側が建物の建設などといった土地の使用権を得る場合、それは借地権付きの土地であり、地主側からは底地・借りる側からは借地と呼ばれるものとなります。このような土地の地代、どのように金額が定められるのでしょうか。確認してみましょう。

借地権契約とは

まず、借地権契約について、概要を把握しておきましょう。

借地権があるということは、土地の所有者と土地の使用者が別であることと同義です。本来ならば土地の所有者である地主がその土地を自由に活用できます。しかし、土地を自由に使う権利を他者に与える見返りとして賃金を得るという活用の仕方もあるわけです。このような権利を借地権といい、これを得た借りる側は地主の土地の上に自分所有の建物を立てることができ、借主に位置づけられます。

つまり、借主が地主に賃金を支払い借地権を得るという契約を結ぶことで、地主は土地の所有者であるがこれを運用する権利はなく、借主は土地を使用できるが所有権はない、といった関係性が築かれることになるのです。

このような借地権契約を継続するため、借主から地主へ一般的には月々支払われるのが地代です。

地代額の決め方

地代の算定方法として、一般的には公租公課倍率法が用いられます。ここで言う公租公課とは年間の固定資産税と都市計画税の合計を指すと考えてよろしいでしょう。

底地・借地が住宅地の区画に位置している場合では、公租公課の3倍から5倍ほど、
底地・借地が商業地の区画に位置している場合では、公租公課の5倍から8倍ほど、
おおよそそれぐらいの額が年間の地代とされ、月払いではこれを12で割った額が毎月借主から地主へ支払われることになります。

しかしながら、公租公課倍率法では地主・借主のどちらかに不公平感が生じるケースも想定されます。例えば、同じ底地・借地であっても、そこに立つ借主所有の建物が店舗のみなのか賃貸マンションなのかの違いにより、公租公課に住宅減免の有無が発生し、それに伴って地代が大きく増減する可能性があるわけです。

このような事態が想定される際には、不動産鑑定基準に基づいた「利回り法、スライド法、賃貸事例比較、差額配分法」などといった地代の算定方法が検討され、地主・借主双方ともに納得できる適正地代が求められることとなります。

地代金額変更請求

基本的では、定められた額の地代を支払うことで借地権契約が維持されますが、借地借家法によって地主および借主ともに、相手方に対し地代の増減を請求することができます。しかしその際には、公租公課の増減、地価の変動、近隣地の地代と比べて著しく相違している、などといった相応の理由が必要となります。

まとめ

以上のように、地主の土地上に借主が建物を所有する借地権契約の状態を維持するために借主から地主へ定期的に支払われなければならないものが地代であること、一般的に地代は公租公課倍率法によって金額が決定されるが、ケースによっては他の算定方法が用いられること、地主・借主ともに地代の増減を請求する権利を持つこと、について見てまいりました。
参考にしていただければ幸いです。

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