相続で喧嘩勃発!対処法は?

カテゴリ:相続のこと

はじめに

「遺産相続でのトラブルは富裕層だけでしょ?」
「遺産相続は自分に関係ないよ」
そう思う方も多いかもしれませんが、遺産分割調停・審判の事件数は増加傾向にあり、その多くが中流家庭で発生していると言われています。

それまでは仲が良かった家族であっても遺産相続が絡み、いつ何時争いや喧嘩になるかは分かりません。
また、遺産相続で喧嘩状態になってしまった場合には、多くのデメリットが発生してしまいます。
今回は、相続でトラブルになったときのデメリットについて事例を踏まえて考えてみることにしましょう。

ある家庭でのケース

Sさん一家は世帯年収500万円ほどの中流家庭です。
今回一家の大黒柱である父が亡くなり、母と3人の子供達で遺産相続することになりました。
元々3人の子供兄弟の仲は悪くなかったのですが、遺言には長男に多くの遺産を相続する旨が記載されていて、それをきっかけに兄弟間で喧嘩が起きてしまいました。
長男と母は遺言書の内容に納得したものの、他2名は納得がいかず「遺留分減殺請求」という方法を取り、弁護士を立てることになりました。

遺留分減殺請求とは

遺留分減殺請求とは、被相続人(亡くなった方)が遺言などで一部の親族に多くの財産を残す旨を記載していたときに、残された法定相続人が自分の最低限の取り分を確保できる権利のことです。

この遺留分減殺請求は「相続開始から10年が経過する」もしくは「権利者が遺贈のあることを知ってから1年以内にこの権利を行使しなかった」という場合には消滅してしまいます。

Sさん一家の場合、丸々1年間兄弟で弁護士を立て協議し、時効ギリギリで遺留分減殺請求の手続きが完了しましたが、相続開始後10ヵ月以内に済ませなければいけない相続税の申告に間に合わず、結局余計な支払いまで生じてしまいました。

このケースでは一体何がトラブルの原因となったのでしょうか?

生前贈与の活用を!

争いや喧嘩はだれもが避けたいことです。
万が一避けられなかったとしても短い期間に抑えたいでしょう。
今回見てきた事例では、兄弟同士で相続から1年間争う状態が続き、さらに税金控除も受けられなくなってしまいました。
このケースのように争いが長引くと後々の禍根にもなります。
このようなケースの対策としては、被相続人が生前に遺産をしっかり整理し、相続人となる人の「遺留分を侵害しないこと」です。また場合によっては生前贈与なども有効です。
特に不動産など分割しにくい遺産の場合、生前贈与を用いれば争いを避けられるかもしれません。

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