【横浜市中区の不動産屋発信】共有名義不動産の売却方法について

カテゴリ:不動産基礎知識

1つの不動産を複数人で共有する状態にある共有名義不動産。その売却に当たっては、通常の1人名義で所有する不動産とは異なる手順を辿ることとなります。共有名義不動産の性質を鑑みつつ、それを売却する方法にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

共有名義不動産とは

土地や建物などいわゆる不動産は、その所有を意味する名義を1人の個人もしくは法人格が持つのが一般的です。ですが、実際には、1つの不動産を複数人が共同で所有するタイプの共有名義不動産も少なからず見受けられます。

共有名義不動産について所有権を持つ名義人複数名は、持分という形式を基に不動産を自分の財産としている状態にあります。持分とは、各人が持つ所有権の割合を意味するものです。

1つの共有名義不動産を、甲さん・乙さん・丙さん3人の名義人で共有しているケースを例に見ると、不動産所有権について甲さんは半分すなわち5割の権利を持ち、乙さん丙さんはそれぞれ1/4すなわち2割5分ずつ権利を持つ、という具合に所有権を割合で表すこととなり、これが持分に当たるわけです。

これは、不動産そのものを区分けして所有するものではなく、不動産全体に対して所有権を何割持っているのかという考え方に相当します。

共有名義不動産では、持分によって所有権を分けることになりますが、持分がいくら少なくともその権利をないがしろにはできません。売却など不動産投資を行う際、いかに多くの持分があるとはいえ1人の名義人の意思をそのまま実行に移すことは不可能です。

よって運用を始めるために手続き上必要な事項が、名義が1個人あるいは1法人の不動産とは異なることになります。

名義人全員の同意による売却

共有名義不動産の全体を売却する場合、名義人全員の同意が必要となります。売買契約においては名義人全員が売主となりますが、手続きを簡略化するため名義人の中から1人代表者を立て、その人が売主として契約に臨む方法が一般的です。

その際に代表者には、他名義人が契約手続きを託す旨の署名した委任状を、名義人全員分所持していることが求められることになります。これにより代表者の売主としての正当性を担保することになるわけです。

売却額の受け取り分、および売却に要した経費負担は、それぞれの持分の比率に則って分担されることとなります。

分筆による売却

土地を共有名義不動産としているケースでは、分筆することによって実際に不動産を区分けすることが可能です。持分に応じ、土地の面積や区画による評価額の違いなどを考慮に入れて分割し、名義人各々の個人名義の土地として再登記するというわけです。

分筆後であれば、1つの不動産につき1人の名義人という一般的な不動産と見做されます。そのため売却に際しては、所有者個人の意思を反映して判断できるようになるわけです。

分筆を行うには共有名義不動産の名義人全員で分筆登記を申請することが必要です。つまり、分筆を行うには、まず名義人全員から同意を得ていなければならないということになります。

まとめ

以上のように、名義人それぞれが持分の示す割合に応じて所有権を持つタイプである共有名義不動産の売却方法として、
◆名義人全員が売却に同意し、売却額および費用負担を持分に応じて分ける売却方法
◆名義人全員が同意して、分筆により共有名義不動産を分割した後、受け取り分の土地を売却する方法
の2通りがあることを見てまいりました。

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