【横浜市中区の不動産屋発信】空き家対策に関する特別控除とは!

カテゴリ:不動産有効活用

各、自治体において空き家等対策の推進に関する特別措置法を運用して様々な対策が取られていますがなぜ空き家は増えているのか?また、空き家対策への控除について調べていきましょう。

空き家が増える要因

○中古物件は人気がない。
日本は新築一戸建てを買うことへの考えが浸透して、中古物件の購入やリフォームをするという考えは少なく、人気がないことが要因だと考えられます。

○新築物件の供給が多い。
日本の人口は減少傾向にありますが、世帯数は増加傾向にあり、新築物件の供給数が多い状態は、空き家の増加につながっています。

○固定資産税の減免。
建物の固定資産税が約6分の1に減免される制度があり、逆を考えると解体してしまうと固定資産税が6倍になるということです。これは住む予定のない空き家は、そのままにしておこうという考えが多くなります。

空家対策特別措置法

国土交通省から出されている空家等対策の推進に関する特別措置法、空家の実態調査、所有者の管理指導、跡地の活用促進、特定空家の指定と助言、指導、勧告、命令、罰金、行政代執行、適切な管理が行われていない空き家などの、防災、衛生、景観、地域住民の生活環境に影響を及ぼし、生命、身体、財産保護、生活環境保全など、空き家の活用対応が必要な事を定めたのが空家対策特別措置法です。

特定空家の指定

特定空家とは、次の状態を言います。
○倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態
○著しく衛生上有害となる恐れのある状態
○適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
○その他、周辺生活環境保全が不適切である空き家の状態

特定空家に指定されると、行政で所有者の特定を行い実態調査の実施後、適切な管理助言、指導をおこない、改善がされない場合には、勧告→命令→代執行で処置を講ずることが可能です。固定資産税の減免措置の解除や修繕命令違反は過料に処します。

不動産の売却にかかる税金

不動産を売却して譲渡益(売却益)が発生した場合、その譲渡所得に対して所得税と住民税が課税されます。相続した空き家を売却した場合も同様です。

譲渡所得

譲渡所得は、不動産を売却した価格から取得した費用を引いたもので、次の式で計算します。
○【不動産売却代金 - 取得費 - 譲渡にかかった諸費用 = 譲渡所得】
例えば
800万円で取得した不動産を1,000万円で売却し、100万円の諸費用がかかった場合は、100万円が譲渡所得になります。

○【売却代金1,000万円 - 取得費800万円 - 諸経費100万円 = 譲渡所得100万円】

所得税

かかってくる所得税の算出方法は次のようになります。
○譲渡所得税率は、所得税・住民税・復興特別税の合計税率で、不動産の所有期間が5年を超える場合は20.315%、5年以内は39.63%です。
仮に5年を超えるとすると
○【譲渡所得100万円 × 譲渡所得税率20.315% = 所得税額231,500円】
ということになります。相続などで取得費が不明な場合には、売却価格の5%を取得費とみなすことができ、取得費が不明でない場合においても、いずれか有利な方を選択することができます。

不動産の取得日は引き継がれ、被相続人(仮に親)が取得した日から所有期間を計算すると、5年を超える場合の税率「20.315%」が課税されることで、売却に踏み切れない相続人が多くいるのも事実です。

空き家の譲渡所得特別控除

相続などによって取得した空き家を売却した譲渡所得から、3,000万円を特別控除する特例の税額は、最大で609万4500円もの減税となります。

特別控除適用の条件

特例の適用にはいくつかの条件があり、全てを満たさなければなりません。

○被相続人が一人暮らしで、相続の直前まで被相続人の自宅であったこと。
被相続人が一人暮らしで、貸し出しや被相続人が老人ホームに入居していた場合などは適用されません。

○昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること。
昭和56年5月31日以前に建築された建物とその敷地に限られます。

○区分所有建物でないこと。
区分所有建物は、構造上区分されて独立して住居や店舗、事務所などに使用できる建物で、マンションなどは対象外です。

○売却の際の要件。
家屋を解体しての土地売却、改修工事を行った家屋や敷地を売却することが要件になります。

○適用期間。
平成28年4月1日から平成31年12月31日の間に譲渡すること。

○譲渡期間。
相続時から相続開始日以後3年を経過する年の12月31日までの譲渡で、平成25年1月2日以降に発生した相続であること。

○売却額。
売却金額は1億円を超えず、2回以上に分けて売却した場合にも1億円を超えているか、他に共有者がいる場合にも合計金額で判定されます。

○相続してから譲渡するまで空き家であること。
相続時から譲渡までの間に家屋や土地に居住、又は事業などに使用してはならない。

○確定申告が必要。
被相続人居住家屋等確認書、被相続人の除票、土地・建物の売買契約書、電気ガスの閉栓証明書など、要件を満たす各種証明書や書類を入手して確定申告書に添付・申告すること。

これらの全ての条件を満たすことが必要になります。

まとめ

空き家は維持管理の負担が大きく、用途の無い空き家は売却した方が持ち主の負担も軽減されます。今後空き家は増加傾向にあることから、今回の特例は空き家対策と諸問題を解決することを狙う国の施策が講じられています。

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