賃貸の空室対策として残置物は使えるのか?

カテゴリ:不動産有効活用

はじめに

暑いこれからの季節クーラーは欠かせませんよね。
自分の賃貸物件に退去者が出て、退去立会いのときに「転居先にクーラーはあるので残していく」と言われたとき、あなたならどう思いますか?
「これはラッキーだ。これを設備として次の募集の集客アイテムにしよう!」
そう思っている方は多いはず。
実際、残置物を自己責任として貸主に使わせているケースは多いようです。
しかしこれは正しいことなのでしょうか?
今回は賃貸が空室になった後の残置物について見ていきましょう。

残置物の処分

残置物は誰のものかというのは民法上に明確な答えがあります。

ズバリ「所有者のもの」です。つまりは部屋を借りていた人ですね。

借主には部屋を原状回復する義務があります。そのため一般的に借主は退去するときには残置物は自費で撤去しなくてはなりません。

しかし実情としては賃貸経営に残置物は「悩みの種」と言えるでしょう。
原因として「退去時の立会い確認の不徹底」や「家賃滞納による夜逃げ」、最近問題になっている「孤独死」などもあります。
転居先がしっかり把握できていれば「これら残されたものをどうするか?」を聞き出せます。

そのとき所有権は借主にあるので「処分してください」と言ったとしても処分代は借主に負担してもらいます。
夜逃げや孤独死による所有者の不在の場合は、あらかじめ契約書に「残置物はオーナーのものになる」という旨を記してあるのなら、(費用は掛かってしまいますが)処分してもOKとなります。
上記の記述がない場合、下手に処分すると「他人の所有権を侵した」ということになります。
状況によっては裁判にまで発展し得るので、こういうケースは弁護士に相談しましょう。仲介管理会社がいる場合はそこに連絡をとって判断を仰いでもよいでしょう。

残置物を設備として

では次は残置物を元入居者との合意の上、オーナーのものとして引き取った場合。
このときの注意点としては入居契約を交わすときに「この設備は残置物であったこと」「今はオーナーのものであり修理費用は誰が持つのか?」ということを明記しましょう。

なし崩し的に「残置物は入居者の自己責任で使ってもいいですよ」というのが最もよくないケースです。もし入居直後に壊れたりした場合、修繕費の行方を巡ってトラブルになります。
「自己責任による使用」はよく見受けられることだからこそ、しっかりと法的根拠や契約内容に配慮しましょう。さらに気を付けたいことは、法的根拠や契約を盾に入居者に責任を押し付けることです。
賃貸契約とはいえ結局は「人と人との付き合い」です。入居者に不満を持たせることは今後の経営に影響を及ぼします。
最近ではそういったトラブルがSNSで拡散されて物件の悪評になったりしたら、空室対策どころではありません。
残置物の取扱いについては、しっかり話合い入居者といい関係を築くようにしましょう。