相続の割合~離婚調停中の妻と兄弟のケース~

カテゴリ:相続のこと

はじめに

亡くなった人(被相続人)の遺産を誰が相続するのかは、法律によって決められていて、相続の権利がある人を法定相続人と呼びます。
また、法定相続人のうちでも、誰がどれくらいを相続するのかという割合も決められていて、これを法定相続分といいます。
ところで、夫婦間に子どもがなく、さらに離婚調停中といったようなケースでは、誰がどれだけの遺産を相続することになるのでしょうか。
相談事例も参考にしながら、見ていくことにしたいと思います。

相談事例

30歳女性です。
私の両親は二人とも早くに亡くなり、肉親といえば歳がひと回り離れた兄が一人いるだけでした。
兄は、高校を卒業してすぐに働きに出、親代わりとなって私を育ててくれていたのです。
そんな兄は、私が大学を卒業するまでは自分のことを考える暇もなかったようで、39歳になってやっと、2年ほど交際していた女性と遅めの結婚をしました。
「これでやっと兄も自分の人生を生きることができるようになる」、兄が結婚したときには私もそう信じていたものです。

しかし、そんな兄の幸せは長くは続きませんでした。
最近になって、兄の結婚相手となった女性(義姉)は、兄と交際する以前から妻子ある男性と不倫関係にあり、今でもその関係を続けていることが判明したのです。
しかも、その男性は最近離婚したようで、義姉はその男性と結婚したいと勝手なことをいって、兄に対して一方的に離婚を切り出し、兄が拒否すると離婚調停を申し立ててきました。
兄はよほど精神的に追い詰められたのでしょう。

先月、急に体調を崩し、そのまま亡くなってしまいました。
まだ42歳でした。
つい先日、さらにショックな知らせが私に届きました。

兄の遺産には、義姉と結婚する前に購入した自宅といくらかの預貯金があり、義姉としては法定相続分どおりその4分の3をもらいたいと伝えてきたのです。
どこまで勝手な人なのだと、私は怒りがおさまりません。
確かに、兄と義姉はまだ離婚調停中で、形の上では夫婦のままでした。
しかし、できることなら、兄の遺産は一銭たりとも義姉には渡したくないのです。
何とかならないのでしょうか?

妻が三分の二を相続

事例のように、配偶者と兄弟姉妹を残して亡くなった場合には、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人となることに決まっています。
また、民法では配偶者は常に法定相続人となることも決まっています。
離婚調停中であっても、この原則は変わらず、配偶者は法定相続人となります。
ですので、相談者の方の気持ちは理解できますが、残念ながらこのケースでは妻(義姉)の方が遺産の4分の3を相続することになってしまいます。
なお、配偶者には親や子(とその代襲相続人)とともに「遺留分」が認められており、仮に事例のケースで「妻には遺産を相続させず、すべてを妹に相続させる」というような遺言書が書かれていたとしても、遺留分減殺請求がなされれば遺産の半分は妻が相続することになります。