生涯独身で亡くなった場合の遺産について~兄弟が相続?~

カテゴリ:相続のこと

はじめに

国立社会保障・人口問題研究所が公表した資料「人口統計資料集2017」によれば、2015年の生涯未婚率は男性23.37%、女性14.06%で過去最高を記録しました。
この数字は、50歳時点での未婚率をあらわしたものであり、生涯独身のまま過ごす人の割合を示したものではありません。
しかし、50歳時点で一度も結婚したことのない人がこれだけ増加してきたということは、生涯独身のままで亡くなる人の数も増加していくと考える方が自然でしょう。
では、生涯独身のまま亡くなった場合、遺産はいったい誰が相続することとなるのでしょうか?
相談事例を見ながら考えていくことにしましょう。

相談事例

私は関東地方のとある市役所に勤める45歳の地方公務員。
妻と高校生の娘、中学生の息子の4人家族で暮らしています。
私の父と母は、二人とも私が20代のころに亡くなり、妻子以外の親族といえば7歳下の弟がいるだけなのですが、その弟とは年が離れているせいか子どものころから折り合いが悪く、父母が亡くなってからというものすっかり疎遠になっていました。
ところが、先日、実家近くの総合病院から突然連絡があり、弟が亡くなったことを知らされました。

その話によれば、弟は数ヵ月前からその病院に入院しており、独身でほかに血縁もいないことから「何かあったら兄に」と病院に私の連絡先を伝えていたようです。
その後、弟の遺体を引き取って荼毘に付し、とりあえず諸々の手続きや遺品の整理を行っていると、貯金通帳や株式が出てきました。
また、弟が住んでいたマンションも、賃貸ではなく弟名義のものでした。
亡くなるまで独身で通した弟には、妻も子もいません。
このような場合、弟の遺産はすべて私が相続することになるのでしょうか?

生涯独身のまま亡くなった場合の遺産相続

独身であるか否かに関係なく、相続の順位は民法によって定められています。
まず被相続人が結婚していた場合、まずその配偶者は必ず相続人となります。
配偶者以外の相続人は順位が定められており、第一番目は「子ども」、次に「直系尊属」(父母や祖父母)、そして第三番目に「兄弟姉妹」となっています。
ですから事例のケースでは、配偶者も子どももおらず、直系尊属もすでに亡くなっている状況なので、相談者の方が唯一の相続人ということになり、弟の遺産すべてを相続することになります。
なお、兄弟姉妹も亡くなっている場合には、その兄弟姉妹の子、つまり被相続人の甥や姪が相続人となります。

最後に

もし、配偶者も子も直系尊属もおらず、兄弟姉妹や甥姪もいなくて、まさしく「天涯孤独」の場合には相続人が誰もいないということになります。
このように相続人が誰もいないというケースでは、亡くなられた方の遺産は民法の規定により、国のもの(国庫に帰属)となります。