相続人が預金引き出しすることはNG?

カテゴリ:相続のこと

【はじめに】
今まで入っていた介護施設への支払いや入院費用、埋葬費用等、それぞれの状況や経済状態にもよりますが、自分でたて替えをするには負担が大きい場合もありますよね。そんなときに相続人が故人の口座からお金を下ろすことはできないのでしょうか?
今回は、「相続人が預金引き出しすることはNG?」というテーマでお話していこうと思います。

【預金口座はどうなる?】

相続が開始されると、被相続人の預金口座は凍結されます。預金口座を凍結されると、お金の入出金ができなくなってしまうため、口座振替や引き落としもできなくなります。
銀行口座は被相続人の死亡が確認されたタイミングで凍結されます。凍結のタイミングは、銀行側が親族からの申し出や新聞の訃報等で「死亡を知ったとき」になりますので、死亡後すぐの場合もあれば、しばらく凍結されない場合もあります。
口座凍結の理由は当然、不正利用による相続トラブルを避けるためです。口座の所有者が死亡した時点で、預金は相続遺産となります。この相続遺産は、通常であれば遺産分割協議や遺言によって相続人に分配されますので、事前に誰かが使ってしまうと、他の相続人の権利を奪うことになってしまうのです。そういったトラブルがないように、銀行側は預金口座を凍結させ、使い込みや持ち逃げを防ぐのです。

【生前の引き出しはできる?】

上記の通り相続発生後の口座は凍結され、簡単には引き出しができません。しかし、死亡後には埋葬費や入院費用等いろいろお金がかかりますよね。生前にそういった費用を準備しておくために現金を下ろしておくことはできないのでしょうか?
事前にお金を下ろしておくという動きは、後々トラブルになる可能性がありますので細心の注意が必要になります。
まず気を付けるべきポイントは、上記にも書いた相続人同士のトラブルです。もうひとつは、生前に引き出しをすることによって相続放棄できなくなる可能性が出てくることです。
相続には、単純承認、限定承認、相続放棄と3種類の相続方法があり、相続人はどんな形で相続するかを選ぶことができます。
生前に口座からお金を引き出した場合、財産の一部または全てを処分したとみなされ、単純承認したことになってしまいます。そうすると故人に借金があった場合、財産放棄ができなくなり、その債務も引き継ぐことになってしまうのです。

【まとめ】

今回は「相続人が預金引き出しすることはNG?」というテーマでまとめてみました。
相続に関する口座を管理する場合は、上記のようなトラブルに気を付け、財産管理委託契約書を作成し、手続きにかかった費用の領収書は保管しておきましょう。
生前と死亡後の口座の取扱いや引き出し方などそれぞれ違いますので、しっかり確認しながら手続きを進めていきましょう。