法務局のお墨付き!?法定相続情報証明制度とは?

カテゴリ:相続のこと

【はじめに】
近年、所有者がはっきりしない土地・空き家が問題になっています。
所有者がはっきりしないと、行政側でも勝手に整理するわけにもいかず、道路の拡張工事など公共事業の妨げになってしまいます。また地震や水害などの深刻な災害の復旧工事、人々の生活を脅かすような状態の土地の補強工事などにも、その土地の所有者の許可がいります。
所有者がはっきりしない土地が増える主な原因としては相続登記が行われていない現状があり、その対策として法務局は法定相続情報証明制度を立ち上げました。
今回はその法定相続情報証明制度について見ていきたいと思います。

【法定相続情報証明制度とは?】

これまで遺産相続が行われると、故人の財産(土地や預金など)の名義変更・登記・売買・解約をするには、逐一その関係機関に相続の証明をしなくてはなりませんでした。
つまり、何か相続財産を動かしたいときは、相続人・被相続人、両方の戸籍謄本や税金関係の書類などをしっかりそろえて提出していたのです。
この煩雑さをなくすため法務局はこの制度を定め、より簡単に相続の証明ができるようになりました。
具体的な手順は、法務局に「戸籍謄本・法定相続情報一覧図・申請書」を提出し、「法定相続情報証明書」を発行してもらいます。
この一枚の書類を各関係機関に提出するだけで、相続手続きが可能になったのです。

【法定相続情報証明制度のメリット・デメリット】

この制度のメリットは上にも書いてある通り、相続手続きに伴う書類提出の煩雑さの解消にあります。以前の記事でも紹介したように、相続した預金口座の解約には多くの手間と時間がかかります。しかし、法定相続情報証明書が一枚あるだけでそういった手間はなくなりスムーズに手続きができるようになりました。
加えてこの証明書には料金はかからず無料で何枚でも発行できます。
登記所や異なった銀行の預金口座の解約に、同時に提出することで「書類が返ってくるのを待つ」ということはなくなったのです。
時短・ローコスト・手間いらず。三拍子そろった素晴らしい制度ですね。

一方デメリットも存在します。
それは法定相続情報一覧図の作成をしなくてはいけない点。この図を作るのには戸籍謄本を集めなくてはならず、そこは従来の相続手続きの手間と変わりがありません。
また所定の様式に従った書き方にしないと証明審査に通らないので、専門家を呼ばないといけないかもしれません。そうなると意外に作成料金がかさみ、もらった遺産に見合わないコストがかかりかねません。
手続きから解放されるメリットと証明までの手間・法定相続情報一覧図の作成コストに代表されるデメリット、両方をよく比較検討して証明書発行を行いましょう。