「借地 底地」地代の値上げは下準備から

底地を所有している地主さんの共通の悩みは、地代の値上げがしたくても交渉の難しさに困っているのではないかと思います。それならば、周りの地代に比べてどうなのか調べる事から始めましょう。今回は、底地の地代の値上げについて紹介しましょう。

値上げに対する調査から始めましょう。

いきなり値上げの交渉を行っても、借主にとっては寝耳に水かも知れません。値上げの交渉には、下準備とある程度の時間をかけて相手が納得のいく材料を揃える必要があるのです。

第一に調査する事は、周りの地代を調べる事から始めるとよいでしょう。底地の契約は、30年以上もの長い年月で契約される事が多いので、借地人が契約更新を望むのであれば、引き続き10年20年と「借地・底地」の関係が続くのですから、客観的な立場からすると適正価格(ここでは近隣の相場)に、値段を交渉する事が順当だと考えるからです。

中には、周りの地代の相場を知らずに、50年以上もあきらかに安い値段で契約が続いている場合もあるからです。地主と借地人は長い年月の関係性があるのですから、スムーズに交渉したいものです。

地代の相場を知るには

その土地の周りの環境や道路に面している部分など、広さと環境によって異なってきますので、目安となるのが「固定資産税」なのです。

環境が住宅地の場合は、固定資産税(土地計画税のセット)の3倍から5倍が目安となり、商業地の場合は割高で固定資産税(土地計画税のセット)の5倍から8倍になっています。

これを目安にして計算する必要があります。国土交通省が毎年公表する公示地価を参考にして、地代の場合は、年単位の金額を比べて見るのも参考になります。固定資産税と都市計画税を合計すると1.7%です。

① 固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
② 都市計画税=固定資産税評価額×0.3%
③ 地代=1.7%×3倍~5倍=5%~8%位で求めます。

固定資産税が100万円ならば、5万~8万が年間の地代となる計算です。
しかし、積算法によると、期待値の利回りや諸経費が付加されます
④地代の相場 = 土地価格 × 期待利回り + 諸経費とする場合もありますが、まずは過度の期待よりも「③」で示した固定資産税からの地代の算出を参考に下方が良いでしょう。

専門家による仲介業者に依頼する場合は、両方を参考に進めてみても良いでしょう。大事なのは、適正価格と納得のできる話し合いで信頼関係を保つ事なのです。他にも路線価による算出法がありますが、相手に理解できる資料を準備する必要があります。

定期的に見直しをするには

環境の変化は時代と共に変化します。多くの場合は、値上げに必要な材料となりますが、工場や特殊な施設などが周りにできた場合は、値段が下がる場合もまれにあります。土地の価格は大きく変動する事は考えにくいのですが、5年や10年ごとに調査をする事も必要になります。

借主と長い付き合いで割り切った計算がしたくなければ、自分自身で交渉しても良いのですが、できるだけ高い値段で交渉する場合には、やはり専門家に相談したり委託したりする事も考えた方が良いでしょう。地代の値上げは、相手にとっても頭の痛くなる問題に違いないのですから。

まとめ

底地の地代の値上げについて紹介しましたが、今後も長い付き合いになる事を考えれば、できるだけ円満に解決できるように、根気よく交渉する必要がある事をわすれないようにしたいですね。トラブルの原因は作らない配慮が必要なのです。

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