借地・底地の契約で発生しうる一時金 ~更新料・承諾料・借地権譲渡に伴う名義書換料など~

借地もしくは底地における借地権契約では、借主が地主に対して行うべき支払いは定期の借地料以外にも設定されているのが常と考えてよいでしょう。では、一般的にどのようなとき支払い義務が生じてくるのか、その辺りを借地権契約に関連する基本事項を踏まえつつ見ていきましょう。

借地(もしくは底地)とは?

まずは、借地と底地、借主と地主の関係について確認しておきましょう。

借地あるいは底地では、その土地上にある建物の所有者と土地じたいの所有者が異なります。この場合、建物所有者は借主、土地所有者は地主と呼ばれる立場となり、その土地は借主側からは借地、地主の側からは底地と呼ばれるものとなるのです。

借主と地主の間で、借地(または底地)の上に借主所有の建物を置く権利すなわち借地権が承諾される代わりに、借主は地主に月々借地料を支払う、などといった契約が結ばれることで、借主は他人の土地の上に自分の建物を持つことができるというわけです。

イレギュラーな支払い(=一時金)が発生するケース

契約の定める内容によって、借主は月々の借地料以外にも、契約内容や建物の状況などによって地主に対して一時金を支払う場合があります。

一般的には、以下に挙げるような名目で一時金支払い義務が生じてくることでしょう。

更新料

契約内容によっては、借地権に期限が設けられていることがあります。その期限を越えて借地権契約を継続する際には、更新料の支払いが求められるというわけです。金額としては、借地権価格すなわち契約に提示された期限内に毎月払うことになる賃料合計の5~10%が適正相場とみなされています。

契約書に明記されていなければ法的義務はありませんが、地主との友好関係を継続したいという意味を込めて慣習的に支払っている借主さんも少なくありません。

承諾料

借主所有の建物の増改築および建替、または借地条件の内容を変更する場合など、地主の承認を得る場合にも一時金が生じる場合があります。

増改築および建替に関しては、契約で増改築禁止特約が挙げられていればその定めに従って必ず支払わなければなりません。相場としては、増改築ならば借地(=底地)の更地価格の2~3%、立替ならば3~4%とあります。

建物構造の変更や借地権契約期間など、借地条件内容を変更する場合の承諾料では、借地(=底地)更地価格の10%が相場とされています。

名義書換料

これは、主に借主が所有する建物を第三者に売却するとき、すなわち借地権を第三者に譲渡したいときに発生します。

この場合、今後地主と借地権契約を交わすのは借主から物件を買う購入者ということになるので、必ず地主の意向を得ていなければなりません。金額的相場としては、借地権割合から算出される借地権価格の10%となります。

仮に、地主が建物売却すなわち借地権譲渡に同意しない場合、借主は地主に代わって裁判所から売却許可を求めることができます。それでも地主側が反対ならば、介入権を行使することによって自らが借地権を譲り受ける、すなわち借主に対して第三者ではなく地主である自分に建物を売るよう要求することができるわけです。

まとめ

以上、一般的な借地権契約で借主が地主に対して支払い義務が発生しうる一時金について、
契約更新に伴う更新料、建物の増改築や建替または借地条件内容の変更に伴う承認料、
借地権譲渡に伴う名義書換料、が挙げられることを見てまいりました。

このような一時金支払いなどを含め、想定されうる状況の変化について借主側地主側双方共によく吟味しつつ借地権契約に臨むべきだと言えるでしょう。