相続税とその控除額

はじめに

2015年に相続税法が改正されました。
今日の日本では不景気や少子高齢化などの影響もあり、古い相続税法は時代に合わなくなってきました。
ちなみに前の改正は20年前の平成バブル期であり、土地の高騰が続いていました。それに伴って相続額も増大。相続で土地をもらった人が逆に、相続税で破産に追い込まれてしまうリスクがありました。そこから控除額が拡大していったという背景があります。

では20年ぶりの改正で「相続税法はどう変わったのか?」を見ていきましょう。

相続税の基礎控除額

まずは基礎控除額から見ていきましょう。
基礎控除額とは「この額までなら税金は払わなくてもいい」という納税基準のような額です。
旧法では
基礎控除額 = 5000万円 + 1000万円 × 法定相続人の数

これが改正後は
基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

となりました。

これだけでは分かりにくいので実際の例を見ていきましょう。
もし相続人の数が5人だった場合、旧法では基礎控除額は1億円となりますが、改正後は6000万円となります。(比較するとその差は実に40%!)
これにより今までなら相続税を払わなくても良かった人が、払わなくてはならなくなりました。
実際に統計上の相続税課税対象者数にも如実に現れました。当然それに比例して相続税収入も増加しました。

小規模宅地の特例

次に小規模宅地の特例について説明していきましょう。
小規模宅地の特例とは、被相続人または被相続人と生計を一緒にしていた親族の居住用や事業用に使用していた土地で、条件を満たしている場合は限度面積までの部分について評価額を50%~80%まで減額することが可能になります。

今回の改正により、評価の減額が行われる限度面積や適用面積の拡大が行われます。
では、具体的に居住用宅地等の限度面積が改正後にどれくらい拡大するのかをみていくと、改正前は限度面積が240平方メートル(減額割合80%)でした。改正後は限度面積330平方メートル(限度割合80%)になります。

居住用と事業用の宅地等を選択する場合の適用面積も拡大されます。
改正前は、特定居住用宅地等240平方メートル、特定事業用等宅地等400平方メートルの内、合計400平方メートルまで適用可能という限定的なものでした。
これが改正後は特定居住用宅地等が330平方メートルに拡大され、合計適用面積も730平方メートルとなり、それぞれの限度面積まで完全に適用できるように改正されます。ただし、貸付事業用宅地等についての特例を受けない場合に限られます。