共有名義の不動産を相続するとき注意すべきこと

はじめに

不動産の共有名義とは、一つの不動産を複数の名義人によって所有することを指します。
しかし、共有名義のうちの不動産名義人の誰かが死亡したときには当然相続が発生します。
そして共有名義の不動産相続は少し複雑です。

今回、共有名義不動産の相続について分かりやすく説明していきたいと思います。

共有名義の相続例

例えば、一つの不動産を兄と妹で1/2の持分ずつで共有していたとします。
その際、兄が死亡し、この不動産を兄の家族が相続することになりました。
このとき相続される割合はどうなるのでしょうか。

共有者が増えていく

このケースではまず、兄が所有していた1/2分を残された兄の家族、つまり法定相続人となる兄の妻と子供に相続されることになります。

そして不動産を相続する子供の数が3人だったとすると、妻、子供3人でこの不動産全体の1/2を相続します。

妻、子の法定相続分は妻1/2、子1/6、1/6、1/6となりますので、この不動産の相続割合は、妻1/2×1/2=1/4、子1/2×1/6=1/12ずつです。

このケースでは相続人は計4名でしたが、共有名義不動産の相続では子供の数がもっと多く共有者が増えるのでより複雑になることを知っておきましょう。

共有名義の不動産を相続したときにするべきこと

上記のケースのように共有名義の不動産を相続したときには相続分が複雑になります。
このようなことを解消するための対策を3つここではお伝えしたいと思います。

1人が他の人の持分をすべて買い取る

共有者の1人が残りの共有者の持分を買取り、名義人を1人にすることでわずらわしい相続発生をなくすことができます。

土地の場合分割して名義も1人ずつにする

土地のように分割できる不動産の場合には「ここまでがあなたの土地、ここからは私の土地」といったように土地を分割して、1人ずつ所有者を割り当てましょう。
また、このとき分割の仕方は不動産の持分に応じて分けることになります。
当然こうなれば1つの土地に1人の所有者なので、所有者の意向により自由に売却もできます。

思い切って不動産を売却する

相続のわずらわしさや、持分の複雑さを考えたら思い切って不動産を売却するという方法も可能です。

先に名義人を1人にして手続きを簡略化し、売却したあとに持分に応じて現金を分ければ後々トラブルになることもないでしょう。

まとめ

「人が2人いれば争いが起こる」と言うように、共有名義も争いのもとになり得ます。そこにさらにトラブルのもとの相続問題が絡むとよりリスクは大きくなるでしょう。
特に不動産を売却するときなどは名義人全員の同意が必要になるため、意見の食い違いが出ると厄介です。
わずらわしい相続が発生する前に所有者や持分等を整理しシンプルにしておきましょう。

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