不動産における簿価とは?時価とどう違うの?ポイントご紹介

不動産における簿価とは?不動産には時価と簿価があります。時価は土地の価格などでもよく耳にする言葉ですが、簿価はあまり聞き慣れないかも知れません。
例えば、事業のために土地や建物を購入した場合、帳簿は簿価のままにすると実際の価格とはかけ離れてしまうことも。不動産における簿価についてお伝えします。

 

時価と簿価の違いは?
起業したので、事業所を開設するので土地と建物を購入したとします。例えば8,000万円で土地を、5,000万円で建物を購入したとします。この時、土地と建物の時価も同じ額だったとします。その場合はこうなります。

・時価8,000万の土地を8,000万で購入した。
→購入当時の簿価は8,000万

・時価5,000万の建物を5,000万で購入した。
→購入当時の簿価は5,000万

 

減価償却で下がる簿価
減価償却で資産価値が下がるのは、建物だけです。土地何年経過しても老朽化することはないので減価償却はありません。つまり、土地は土地の時価の変動がない限り、下がることはありません。
建物は老朽化しますので、毎年減価償却で一定額を簿価から減らし、その額を事業の費用として計上していくことになります。つまり、建物は毎年少しずつ減額されることになります。
減額の割合は、建物の種類、耐用年数、減価償却方法によって決まってきます。減価償却の方法は、一定の額を毎年減額する定額法、定率法があります。
計算式について、定率法については、毎年既に減価償却をした額の総額(減価償却累計額)を取得価額から減額した後で、減価償却割合を掛けることになるので、減価償却累計額は毎年計算しなければいけません。減価償却は、購入年度の翌年末の決算の時からはじまるので、簿価はこうなります。
・取得価格(最初に購入した額)-減価償却累計額(毎年一定額が増えている。)=簿価

 

時価が著しく低下する場合は要注意
建物も土地も、時価が著しく低下してしまうことがあります。例えば、最初に購入した額(取得価額)から減価償却累計額を差し引いた簿価の半額以下の時価になっている場合です。その場合、移転を想定した場合に、土地と建物を売却すればかなりの赤字になります。
簿価とは、言いかえると購入者が支払ったキャッシュということになります。時価は購入者が今度、その土地や建物を売却した時の売値になります。つまり、売値>簿価にならない限り、購入者は利益を出せないことになります。
売却価値のない不動産を保有している場合、その不動産は収益性がない不動産となってしまいます。
それを簿価のままで財務諸表に掲載していると、収益性のない資産にもかかわらず、簿価の半額しかない時価なのに、簿価で資産計上しているとなり、将来の会社の収益にもかかわりますし、株主が正しい評価を出来ないことにもつながります。
簿価と時価は絶えず連動し、簿価を上回る時価になっていること、時価が簿価の半額以下になれば、簿価と時価の差額を損失として計上しなければいけない決まりなどがあるようです。今お持ちの不動産について、簿価と時価について、分からない場合は不動産会社にご相談されるのもおすすめです。

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