相続物件の売却の所得は相続税を経費にして税金対策を!

不動産を売却したことによって生じた所得である譲渡所得には、売って得た利益に対して他の所得とは分離した所得税と住民税が課税されます。
それが相続により得た不動産でも同じことですので、この譲渡所得による税金をどのように節税できるかを確認しておきましょう。

相続税の一部を経費にしてしまう方法
相続税の申告期限の翌日から3年以内の間に、相続財産を売却した場合には「相続税の取得費加算の特例」が適用されます。そのため売却益を減らすことができますので税金を軽減できます。

●相続税の取得費加算の特例
相続した土地や建物を一定期間内で譲渡した場合に、相続税額の一定金額を譲渡資産の取得費に加えることができる制度です。取得費ということは経費にできる事と考えられますので、それによって譲渡所得は減少し課税される所得税も少なくなると考えられます。

●相続税の取得費加算の特例の要件
なお、この特例を利用するのは次のような要件を満たす必要があります。
・土地や建物が相続や遺贈で取得したものであること
・土地や建物に相続税が課税されていること
・土地や建物が相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までに譲渡されていること

相続した一定の空き家を譲渡する場合における3,000万円控除の特例
親などから相続した家の建築時期が古く、さらに耐震基準も満たしていないなど売却自体を悩むというケースもあるようです。
そのためそのまま空き家化してしまうことを抑制するといった観点から、一定要件を満たす空き家や解体後の敷地を売却した場合、譲渡所得から3,000万円が控除され譲渡所得税と個人住民税を減額することが可能です。

●3,000万円控除を適用するための要件
なお、この3,000万円控除を適用するには次の要件を満たす必要があります。
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、譲渡対価の額が1億円以下であること
・平成28年4月1日~平成31年12月31日までの売却であること
・相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までの売却であること
・被相続人だけが住んでいた一戸建て住宅で、相続により空き家になった家屋であること
・空き家になった後で、家屋や敷地を事業用、貸付用、居住用として使用していないこと
・耐震基準を満たしていない場合は耐震リフォームを実施した後の売却、もしくは空き家を解体した後の敷地での売却であること

●マンションでは使えないことに注意
この特例ではマンションなどの区分所有建物は対象にはなりません。また、特例措置を適用するためには、市区町村などで要件を満たすことが確認されたことを証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。

上手に譲渡所得税の節税を!
このように相続を受けた不動産を売却した場合、その譲渡所得にかかる譲渡所得税を軽減させる対策はいくつかあります。自分によって有利な方法を活用して節税するようにしましょう。

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